最近気になっているもの1

・アニメ版『キョロちゃん

 下の方にある記事が全体的に固そうな内容なので、軽い話から。おととしの年末、知り合いから「ガルパンの劇場版観た?」と聞かれたので、そもそもテレビ版から観てないよ、と答えると、「テレビ版は観なくてもいいからとにかく劇場版だけは観に行け、絶対」と猛烈に推されたため、行ってきました。作画がすごいとか色々触れる点はあるんだけれど、それはそれとして、僕個人は「ああ、アニメってこういう風に面白いんだよな」ってこと。もう少し言うなら、登場人物の会話ですね。いわゆる美少女アニメ的なものをほとんど消費していない(意外と思う人もいるかもしれませんがそうなんですよ)僕も、ガルパン劇場版にはある種のしっくりくる感じを覚えていました。

 これと同じような感覚ってじつはアニメ版『けいおん!』でもあったんですよね(やっぱり美少女アニメじゃないか)。なんかこう、アニメってこんな感じの面白さだよな、的な。当時はそれは京都アニメーションの作風ゆえだと思っていました。最近はどうか知りませんが、僕が中高生だったころ(2006~2011年)の京アニは、多分僕が一番アニメを観ていたころ(1990年代後半)のアニメへの懐古的な雰囲気がどこかにありました。『けいおん!』以外でそれが一番わかりやすく示されてるのは多分、涼宮ハルヒのEDの映像じゃないでしょうか。この静止画とテロップの流れる感じにどこか既視感を覚える人も結構いるんじゃないかな。

 

 

 さて、『ガルパン』は京アニの作品ではないわけです。しかしこの二作品、『けいおん!』と『ガルパン』の似た感じは僕の中でけっこう強かったわけで、そしてその理由はわりと普通なところにありました。どっちも、脚本を書いていたのが吉田玲子さんだったんですね。

 いまどきのアニメファン──オタクという表現は避けます──の中で吉田さんの名前は普通に知られているだけに、ここに気づかなかったのはちょっとというか、かなり鈍いよね。まあそれは置いといて、とすると、僕は小さいときに吉田玲子さんが脚本を書いていた作品を観ていて、それが理由でこの二作品に対して懐かしいという感覚を覚えるのだと推測するのが妥当でしょう。で、そんな作品はあったのか。ありました。それがアニメ版『キョロちゃん』です。

 

 

 なぜ今さらこの作品を思い出したのか、というと……いや、思い出したという表現はあまり正確ではないですね。かねてから僕はこの作品のことが気になっていました。何しろAmazonでDVDか何か手に入れようと思っても、あまりにもやばいプレミアがついていてとても手が出せそうにはない。かのカルト作品アニメ版『はれときどきぶた』ですらこれに比べれば安価に思えるほどというとんでもない高値で出品されています。数年前までは実家で、時折CSで放送されているのを見つけては食い入るように観てたわけですが、そのものすごい内容に毎回圧倒され、手に入らないもどかしさに身を震わせながらの視聴でした。

 で、これが最近、突然Amazonビデオに追加されたんですよね。なんか唐突に。僕はAmazon Studentに加入しているので、プライム会員の特典として多数の作品を無料で視放題なんだけど、その視放題ラインナップにこの『キョロちゃん』が追加されました。

 そりゃあもうその時の喜びようったらないです。再生してすぐに流れるOPを見た瞬間、昔初めて目にしたときの「え?何これ?」感が蘇ってきたよね。何しろ映像の内容が本編に一切関係ないため、好きなように作ったんだろうけど、もうものすごい。他に何て言えばいいんだ?

 本編の内容は極めてシュール、強い毒とシュールさが、デフォルメされたキャラの織りなす人間模様に垣間見える一方、それらをまとめあげる、心の原風景を映しだすようなBGM。本当にとんでもない作品です。EDも素晴らしい。苛烈と言っていいほどの映像表現、そして悲しさすらも誘う曲。そういえばこれWhiteberryの歌なんだよね。作詞作曲はJUDY AND MARRYの人だし。

 

 とりあえず、余計な言葉は要らないので、時間のある人は適当なエピソードを観ることをお勧めします。今誰でもパッと観ることのできるのは、とりあえずは下に貼った『パン屋さん戦争』あたりでしょう。僕もこの前通して観たけど、すごく好きだよ。